両者の比較1



精神科医と心理カウンセラーを比べると、

精神科医:身体にあらわれている症状に対処するため、抑制する薬物を処方する。

心理カウンセラー:症状の原因となる心の出来事の解決援助の為、心に働きかける。

と、なります。
精神科医と心理カウンセラーとでは、それぞれ担当する役割が違っているんですね。

ときおり、 「 心理カウンセリングを受けたくて精神病院に行ったのに、ただ薬を出されておしまいだった 」 と仰る方がいます。
これは、医師が怠けているわけではなく、多くの精神病院では心理カウンセリングを提供しないからなのです。

お薬をもらうためには、病院に行く必要があるのと同じで、心理カウンセリングを受けたい時には、心理カウンセラーを訪ねないといけません。

ただ…ピンキリという言葉があるように、精神科医の方々の中にも、誠実な対応をされる方もいれば、人間に対する態度とは思えないような対応をする方もいます。
これは、その医師個人の人間性や考え方によるものと言わざるを得ません。
実際、私に相談をしてくださるクライアントの中にも、精神科医の方に対する憤りを仰る方もおられます。
しかし逆に、とても良い担当医なのだと、嬉しそうに仰られる方もいます。

同様に私たち心理カウンセラーもピンキリで、しっかりと解決の手伝いができる実力があり、誠実な接し方をする者もいれば、技術や考え方が未熟な為に、クライアントに好ましくない影響を与える者もいます。
実際、私にご相談くださったクライアントにも、他の心理カウンセラーにいいかげんな対応をされてお金だけをとられたように感じた、と仰られた方がいました。
一方、まさに心の死に直面している方に寄り添うことができ、生きるちからを引き出すお手伝いができている心理カウンセラーもいます。

クライアントのちからになれる、援助者であること。

援助を必要とする方にとって、援助者の言葉ひとつが命に関わることを、わたしたちは常に心に留め、理解しておかなければならないと、私は考えています。