精神科医の軸



さて、よく「 心理カウンセラーと精神科医の違いって何ですか? 」と質問を頂きます。

もっともな質問ですね。
だって、両方とも心の専門家ですから。

「 それはですねえ、心の専門家にもいろんな種類があるんですよ 」 と説明したとしても、今まさに心の専門家を必要としてる方にしてみれば、「 だから、どんな種類なんだよ! 」と思われるかもしれません。
ごもっともです。

前項にて、心理カウンセラーと精神科医は 「 軸 」 が違うとご説明しました。そう、

「 【 目的 】 何のために」 「 【 行動 】 何をするのか」

という軸そのものが、心理カウンセラーと精神科医では明確に異なっているのです。

「 【 目的 】 身体に起こっている状態を抑制するために」
「 【 行動 】 脳の分泌物に影響を与える薬物を処方する」

これが、精神科医に代表される医師に共通する治療法です。
ちなみに、

「 【 目的 】 身体に起こっている状態を抑制するために」
「 【 行動 】 医師が必要と判断した薬を調合する」

これが薬剤師。

この治療法を、 「 今起こっている症状に対処する 」 という観点から対処療法、あるいは対症療法と呼び、 「 薬物を使う 」 という観点から薬物療法と呼びます。

そう、精神科医などのお医者さんは、身体的な症状に対処するために、その症状を抑制する薬を処方する治療者なのです。

だから、精神病院では心理カウンセリングを受けられないのです。