旅人と、旅のなかま



そう、心理カウンセラーは、旅人が旅をしやすいように手助けをする、旅の同伴者なのです。

今までの孤独な旅よりも楽になると、旅人には余裕が出てきます。

沢山のものに気づくようになり、より遠くまで見えるようになります。
これまで考えなかったことを思いつくようになるし、歩く速度や、地面を踏む足の力強さも変わってきます。

話し相手が隣にいることで、旅が楽しくなるかもしれません。

そして、余裕ができると、これまでの旅路を振り返る余裕も出てくるのです。
あの場所は大変だったなあ、とか、あの景色は綺麗だったなあ、とか、あんな人が居たなあ、とか、そんなふうに。

今までは、ただ必死に歩くしかなかった旅が、色んなことを感じながらの旅に変わるのです。

そんな風に変わった旅人は、これからの道のりを想像することもできるようになります。

地図だって読めるようになります。

そして、どの道を行けば目的地に到着できるのか、どうすれば荷物を降ろすことができるのか、気づくことができるのです。

旅人が、旅の目的地と荷物を降ろす方法を見つけたなら、旅の仲間は最後まで一緒に歩きます。

そうして、ようやく旅人が目的地に到着し、荷物を降ろすことができた時、旅の仲間はいっしょに喜ぶんです。

よくここまでこれたね、頑張ってきたね。

ふたりで歩いてきた旅をふりかえり、喜び合います。
そうして、この旅は、ようやく終わります。

ひとつの旅を終えた旅人が、また新しい荷物と道を見つけて旅をしたくなったら、また旅の仲間を必要とするかもしれません。

その時、旅の仲間を別なひとに変えてもいいし、また同じ旅の仲間を連れていってもいい。

もしくは、今度の道は1人で歩いてみようと、旅人は思うかもしれません。

あるいは、ようやくたどり着いた目的地で、長く暮らそうと思うかもしれません。

それは、旅人が決めていいことです。

旅は、自由です。

その自由な旅をする旅人もまた、ほんとうは自由なのです。