動物介在療法 ~ 無条件の愛情 ~

心理療法

英語名では、アニマルセラピーといいます。

多くの場合、セラピードッグと呼ばれる訓練された犬と一緒に行います。
有名どころだと、犬を老人ホームに連れていくという活動などはニュースや雑誌で取り上げられることも多く、ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんね。

この時に協力してくれる犬は、知らない人に撫でられても怖がらなかったり、突然目の前に手を出されても我慢できたり、絶対に人間に害を与えないように訓練されている犬達です。
本来は本能で怖がってしまう事なのに、それを我慢してくれるセラピードッグは、本当に立派な協力者。

ちなみに、イルカセラピーやホースセラピーもまた、動物介在療法です。

動物介在療法の良い所は、人間に対する恐怖心や抵抗感が強いクライアントに、とても効果的というところです。

心身への暴力を初めとして、他者という別個の人間からの強い攻撃によって植えつけられた恐怖心は、とても深く根強くことがあります。
これは、心の強さや弱さとは別なことで、心身への危険というのは否応無しに人の心に強く傷を残します。
それが物体や特定の環境であればそれを避けることもできますが、危険を与えた存在が「人間」だとしたら?
そう、人間という存在そのものが、恐怖の対象になってしまいますね。

ところが、クライアントの支援者である心理カウンセラーも、やはり人間なのです。
自分に危害を加えた「人間」という存在と同じであるという共通点で、どうしても心理カウンセラーに抵抗感を持ってしまうかたもいます。
そして、そんな方々の中には、動物なら大丈夫という方もいます。

動物は、“ 条件づけ ”をしません。
その人がどんな性格でも、どんな過去があっても、どんな考え方をしていても、どんな容姿でも、どんなパーソナリティを持っていても、なんの区別なく無条件に好意を向けてくれます。

そう、動物は無条件の好意を示してくれる生き物なのです。

クライアントは、しばしばこの動物が向けてくる無条件の好意と信頼に、凝り固まった心がほどかれるような感動を感じます。
そして、自分の素直な気持ちを動物になら向けられる、伝えられるという状態になることも多いのです。

また、動物の身体を撫でるという行為には、リラックス効果もあります。
動物の毛並みは柔らかくてとても気持ちが良いものです。
動物の体を撫でるということだけで心が落ち着いたり、柔らかくなったりするのです。

心理カウンセラーという人間が相手では表現できない気持ちでも、動物に仲介してもらうことで伝えられるようになる。
それがアニマルセラピーのとても良いところです。
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