●ファシリテーター紹介

7つの習慣®実践会認定ファシリテーター村上裕

村上 裕 ( Murakami Yutaka )
 
 
一般社団法人7つの習慣®アカデミー協会
7つの習慣®実践会認定ファシリーテーター
 
カウンセリングルームP・M・R代表
ゲイの心理カウンセラー
 
作家・コラムニスト
 
 
こんにちは。
一般社団法人7つの習慣®アカデミー協会、7つの習慣®実践会認定ファシリーテーターの村上裕(むらかみゆたか)です。
2007年から創業したカウンセリングルームP・M・Rの代表として、ゲイの心理カウンセラーを生業としていますが、7つの習慣®実践会認定ファシリーテーターとして自己紹介をさせて頂きたいと思います。
 
みなさんは「 7つの習慣 」という本をご存知ですか?
 
全世界で3,000万部を売上げ、35ヵ国語に翻訳され、著者の故スティーブン・R・コヴィー氏はタイム誌が選ぶ世界でもっとも影響力のあるアメリカ人25人の一人に選ばれています。
ビジネス書としても世界No.1の販売数を記録していて、20世紀にもっとも影響を与えたビジネス書の第1位になっています。
この本で提案・提唱されている考え方は、そのままライフスタイルやビジネスにも活かされるようになり、全世界147国で企業や学校で研修等のサービス提供が行われるようになりました。
しかし、今でこそ、凄い本、凄いプログラムという評価が高い「 7つの習慣 」ですが、私が出逢ったのは20代の半ばころ、ずっと昔でした。
 
昔、迷いや悩みが続く日々のなか、私の人生に転機を与えてくれたものを3つ挙げるとすれば、
 
・心理学と心理カウンセリング
・7つの習慣
・友人達とパートナー達
 
が真っ先に思いつきます。
 
私は嘘をつくと自分が苦しくなってしまうので、自分が本当に良いと思ったものしか「良いですよ」と言えません。
 
心理学とカウンセリングは、生業として、また心理学講座などでお伝えできるようになり、関心を持ってくださる方々に、どんなふうに良いのかを、どんな効果があるのかを言える機会を頂けるようになりました。
 
友人達やパートナー達とのことは自著「孤独な世界の歩きかた 〜ゲイの心理カウンセラーの僕があなたに伝えたい7つのこと〜」を出版させて頂いたおかげで、友人が居ることの大切さや、パートナー達とのこと(私はポリガミーで2人のパートナーと3人暮らしをしています)をお話しさせて頂けるようになりました。
 
しかし、7つの習慣だけは、これまで厳しい管理の中でBtBの企業向けプログラムに特化していたこともあり、身近な人と話題にする、くらいしかできなかったのですが、このたび、フランクリン・コヴィー・ジャパンの提携団体である一般社団7つの習慣アカデミー協会の認可のもと、世界でも初となる個人向けのプログラムとして実践会をスタートさせて頂けることになりました。
 
たくさんの方々と、これからご一緒してゆけたら嬉しいです。
 
 

●ファシリテーターとしての思い

7つの習慣、心理学やカウンセリング、優しい友人達やパートナー達、そんな存在に幸運にも出逢えたおかげで生きることができるようになってから、私の心のなかにはいつも、ある悲しみがありました。

先月話したひとが、今日にはもう居ない。
楽しく過ごした時の笑顔のまま、もう動かない遺影と、飾られた色とりどりの花。
そんな場面に、毎年出逢う、悲しみです。
 
 
この世界はこんなにも広く、豊かなのに、命をやめて去ってしまうひとが、多すぎて。
 
世界にはこんなにもたくさんの人が居るのに、心を交流する人も無く、孤独のまま孤立して、世界から居なくなってしまうひとが、多すぎて。
 
カウンセリングの時間のなかで、自分らしさを思い出し、生きる理由を見つけ、本当に生きたい人生の中に戻ってゆく人達の手は掴めるけれど、手が届かない人が、余りにも多すぎて。
 
どうしてなんだろう。
どうすればいいんだろう。
 
そんな投げかけを持ちながら、心理カウンセリングという生業を続けるなか、必要なのは、モノやお金だけでなく、「 自分が望む人生を考えるすべ 」、そして「 自分が望む人生を送っているかを確かめるすべ 」だと思いました。
 
たくさんのモノや情報に埋もれて窒息し、いつの間にか自分らしさを見失って、生き方や生きる道を見失ってしまう。
 
そんな世界の流れを、変えたい。
そう願うようになりました。
 
私は、「 7つの習慣 」というプログラムに、そのちからがあると思います。
 
心理カウンセリングが、「 自分が望む人生を考えてゆく取組み 」、「 自分が望む人生を送っているかを確かめる時間 」だとすれば、「 7つの習慣 」にはそのすべが示されていると思います。
 
全世界のなか、日本からスタートした個人が「 7の習慣 」を学び実践してゆくプログラムのなかで、
あなたが持っている資源、あなたが備えている能力、あなたが気づいていない自分の可能性、そして、人生の希望。
 
「 7つの習慣 」への取組みのなかで、そんな、あなた自身の人生のコンパスが見つかることを、心から願っています。
 
 

●心に残っている言葉

「完訳 7つの習慣 〜人格主義の回復〜」を読み、実践してゆくなかで、折に触れて私の心に思い浮かび、今も心に残りつづけている箇所をご紹介します。
「 7つの習慣 」の効果や雰囲気を、わずかでも感じて頂けたら嬉しいです。

(P4)
・やらなければならないことが山積みだ。いつだって時間が足りない。一年三六五日、朝から晩まで時間に追われている。時間管理のセミナーも受講したし、システムやツールだっていくつも試した。多少役には立ったが、望んでいたようなバランスのよい生活を送っているとはとても思えない。
 
(P5)
・目が回るほど忙しい。こんなことをしていて将来のためになるのだとうかと不安になることがある。振り返ってみて意味のある人生だったと思いたい。自分の存在が何かの役に立ったと思いたいんですよ。
 
・友人や親戚が成功したり何かで認められられたりすると、笑顔でおめでとうと言うけれど、内心は嫉妬でおかしくなりそう。どうしてそんなふうに感じるのかしら?
 
(P7)
状況を変えたければ、まず自分たちが変わらなくてはならないのだと、私達夫婦は悟った。そして自分が本当に変わるには、ものの見方を変えなくてはならない。
 
(P11)
息子が「社会的に得た高い評価」は、周囲の期待に応えようとしたからではなく、本来の自分を素直に表現したからに他ならない。
 
(P13)
種を蒔いたものしか刈り取れない。そこに近道はないのだ。
 
(P36)
しかし力を借りることは、人を弱くする。物事を成し遂げるのに外の力に頼るクセがついてしまうからだ。そして、その力に強要された人も弱くなる。主体的な判断、成長、自制心の発達が抑えつけられるからである。ひいてはお互いの関係も弱くなる。恐怖が関係を支配し、一方はますます横暴に、他方はますます自己防衛に走る。
 
(P68)
「説得されても人は変わるものではない。誰もが変化の扉を固くガードしており、それは内側からしか開けられない。説得によっても、感情に訴えても、他人の扉を外から開けることはできない」 
 
(P95)
反応的な言葉の厄介なところは、それが自己達成予言になってしまうことだ。決定論のパラダイムに縛られている人は、自分はこういう人間だという思い込みを強くし、その思い込みを裏づける証拠を自分でつくり上げてしまう。こうして被害者意識が増していき、感情をコントロールできず、自分の人生や運命を自分で切り開くことができなくなる。
 
(P110)
自分に、あるいは他者に約束をし、それを守ることによって、少しずつ、その場の気分よりも自尊心のほうが重みを増していく。
 
(P169)
思わぬ出来事がきっかけとなり、左脳の状況や思考パターンが停止し、右脳での世の中を見るようになることがある。愛する人を亡くしたり、重い病気にかかったり、莫大な借金を背負ったり、逆境に立たされたりすると、誰しも一歩下がって自分の人生を眺めざるを得なくなる。そして「本当に大事なことは何なのか? なぜ今これをしているのだろう?」と自分に厳しく問いかける。
 
(P276)
別の言い方をすれば、何の見返りも求めず本心から無条件で愛することによって、相手は安心感を得、心が安定する。自分自身の本質的な価値、アイデンティティ、誠実さが肯定され、認められたと感じるのだ。無条件の愛を受けることによって自然な成長が促され、人生の法則に従って生き、自分の中に潜在する大きな可能性を発見し、それを発揮できるようになる。
 
(P294)
しかし問題は、Lose-Winタイプの人はさまざまな感情を胸の奥底に押し隠していることである。(中略)特に呼吸器系や神経系、循環器系に症状の出る心身症の多くは、Lose-Winの生き方を続けたことによって抑圧され、積もり積もった恨み、深い失望、幻滅が病気に姿を変えて表に噴出したのである。過度な怒り、些細な挑発への過剰反応、あるいは世をすねるような態度も、感情を押し殺してきたせいなのである。
 
(P340)
私たちはえてして、問題が起きると慌ててしまい、その場で何か良いアドバイスをしてすぐに解決しようとする。しかし、その際私たちはしばしば診断するのを怠ってしまう。まず、問題をきちんと理解せずに解決しようとするのである。
 
(P382)
「私は、聖人の願いを己の指針としたい。
危機的な問題においては結束を、
重要な問題においては多様性を、
あらゆる問題においては寛容を。
ー大統領就任演説 ジョージ・H・W・ブッシュ」
 
(P441)
第4、第5、そして第6の習慣において成果を出すには、基本的に知性の問題ではなく感情の問題である。心の安定と密接に関係しているのである。心の安定を自分の内面にあるものから得ている人は、公的成功の習慣を実践できる強さを持っている。

 

●7つの習慣®認定ファシリテーター養成講座 スピーチ原稿

2017年〜2018年に参加した、7つの習慣®認定ファシリテーター養成講座の最終日のスピーチ原稿をご紹介します。
言葉を発している時にはいろんな思いがあふれて、号泣しながらのスピーチでしたが、最後まで聴いて頂けたことを、今も嬉しく思っています。
 

僕はゲイという、同性愛者というマイノリティの当事者で、そのことをオープンに2007年、11年前から心理カウンセラーをしています。
後になって知りましたが、日本では、歴史上、僕が一番最初に社会にカミングアウトをしたそうです。
 
セクシュアル・マイノリティは、そうでない人に比べて4倍から6倍くらいの自殺関連の数値が高いという統計調査があります。
僕自身としても、ずっと昔からの友人や、一緒にお酒を飲んでまた会おうと言った人、先月には笑って居た人が、今日にはもう居ない、そんな経験をもう15年以上経験をしてきました。
僕がこの養成講座に参加したのは、そんなセクシュアル・マイノリティの人達に7つの習慣を紹介したいと思ったからでした。
 
皆さんの周りに、佐藤さん、高橋さん、鈴木さん、田中さんという名字の人は、どれだけ居るでしょうか?
統計調査によって、セクシュアル・マイノリティの人々は、その4つの名字を持つ人の合計と同じくらい居ると言われています。
皆さんの周りにセクシュアル・マイノリティの人がもしも居ないなら、ただ本人がそうと言わないだけで、必ず、皆さんの周りに居ます。
 
僕はセクシュアル・マイノリティの代表者ではなく、ただのマイノリティの1人にしか過ぎないし、全ての当事者を知っているわけでは無いけれど、それでも、多くの仲間たちと、あるイメージを共有していると思います。
それは、マイノリティの年長者や仲間たちから引き継がれた未来のイメージで、恋人やパートナーを、家族として看取ることができないということです。
 
どれだけ深い愛情を育み、共に長く寄り添い暮らしたとしても、看取りの時やお葬式の時にはただの他人として列に並ぶしかなく、骨も位牌も引き取れない、そんな終わり方の未来しか、僕達にはありませんでした。
150年以上の昔から、結婚制度に参加できない僕達にはそんな未来しか無いと教えられ、そのイメージは鮮明な未来の風景として心に焼き付いています。
 
2014年、オリンピック憲章に性的マイノリティへの取組みの必要性が盛り込まれました。
日本は、2020年の東京オリンピックを実現するための条件として性的マイノリティへの取組みが必要とされるようになり、2015年からそのムーブメントは起こり始めました。その流れはこれからもっと大きくなって、2020年までは、決して止まりません。
急激な社会の変化の中で「自分らしく生きていい」と優しい言葉を言われるようになったことで、マイノリティである自分の未来を考えられるようになりました。
 
でも、そのために、マイノリティである自分の未来が描けなくて、未来に絶望して命を断つ人も増えました。
これまでは墓の下まで持っていけと言われてきたのに、急に自分らしく生きていいなんて言われても、先人達から引き継いだ絶望と孤独の未来のイメージしかない。
自分らしく生きていいと言われても、孤独と絶望の未来か、差別と戦う争いの未来しか無く、安心して、ただ普通に暮らす生き方ができないのなら。
そう考えて命を断つ人が居るのも、しかたのない事だと思います。
 
誰かが悪いわけでなく、誰も悪くないのに、悲しいことが起こり続ける流れを変えたい。
もしも命を断つという結果が変わらないのだとしても、その途中で、孤独や絶望や戦いの人生以外の生き方を、考える機会があって欲しい。
 
あなたの命には価値があり、
あなたの人生には可能性があり、
あなたの存在はただそれだけで大切だと、
真剣に投げかける誰かや何かがあって欲しい。
 
人生はまっくらで、
共に歩める仲間が今は居なくても、
これからの未来の中で優しい誰かに出会うことができるのだと信じられる、
希望を見いだせる機会が、
誰の人生にもあって欲しい。
 
今はまだマイノリティと気づかなくても、いずれ気づく時がくる子供の仲間たちに、生きられる未来を渡したい。
 
互いの違いを受け入れられなくても、セクシャルマイノリティが気持ち悪いのだとしても、僕は、みんなと共存して生きていきたい。
たくさんの仲間達に、この広い世界のなかで、自分らしく生きられる場所があって欲しい。
 
コヴィー博士が、心からの優しい愛で創り遺してくれた7つの習慣には、そうしてゆけるちからと可能性があると思います。
 
歴史が創った大きな流れを変えようと思う時、圧力や反発を受けることはとてもつらいし、怖いです。
時にマイノリティの仲間たちから受ける攻撃は、なおのこと痛いです。
それでも、これから、僕は、勇気を持って声を上げ、7つの習慣を実践してゆき、伝えていきます。
今日のこの日、この時間を、自分への自己宣誓にしたいと思います。
 
皆さんは、私とは違う性のありかたを持っているとしても、私は皆さんの仲間だと思っています。
だから、皆さんも私を仲間と思ってくださるなら、もしもこれから先、皆さんがセクシュアル・マイノリティの人に出会ったら、7つの習慣を知る機会を彼等に与えてあげてください。
 
それは昔、僕の命を救ってくれた大切な友人かもしれないし、一緒にお酒を飲んでまた会おうと話した誰かかもしれないからです。
それは、僕にはできなくて、皆さんにしかできないことです。
 
お聴きくださって、ありがとうございました。

 
●一般社団法人 7つの習慣®アカデミー協会WEBサイト
http://jissenkai.7habits.ac/

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